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優雅さと豪華さを兼ね備えたバラ「マリアテレジア」

マリアテレジア

名高いハプスブルグ家の女帝で1740年から80年まで40年間帝位を護り、16人の子供に恵まれます。夫の名はフランツ・シュテファン、神聖ローマ帝国皇帝です。16人の子供の末から2番目の子がフランスのルイ16世に嫁ぎ、ベルサイユ宮殿やフランス革命などで名高いマリーアントワネットになります。
当時の国同士の侵略や駆け引きは盛んで、マリアテレジア在位中にもちろんいくつかの争いはありましたが、16人の子供を上手に結婚させて各国との友好関係を保ったことでも有名です。夫の死後はずっと喪服で通したというあたり、後のハプスブルグ家のエリザベートやイギリスのヴィクトリア女王とも相通ずるところがありそうです。
ウイーンのシェーンブルン宮殿はマリアテレジアの夏の宮殿として有名です。外壁が黄色でマリアテレジアが黄色を好んだとも言われ、テレジアイエローとも呼ばれますが、実際は金を貼りたかったのだけど、資金が続かなくなり黄色(金色)にしたのだともいわれています。それにしても1400を超える部屋数があるということだけでも驚かされます。
マリアテレジアの名がつけられたバラ、アンティークタイプのバラで分類はフロリバンダとされています。
優雅さと豪華さを兼ね備えた上品なうつくしいバラで、クォーターロゼット咲きの花形はオールドローズを再現した雰囲気をもっています。
ドイツタンタウが2003年に発表したものです。

コラム寄稿

野村和子(のむら かずこ・バラ文化研究所理事)
京成バラ園芸(株)研究所にて故鈴木省三氏の助手を長年にわたり務め、その後NPOばら文化研究所の立ち上げに携わり理事を就任。同時に千葉市花の美術館の相談員を現在も務める。
著書「オールドローズ花図譜」(小学館)、「オールドローズ」(NHK出版)、「四季の花だより」(千葉市みどりの協会)他。

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