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假屋崎省吾

バラの魅力に気が付かれたのは、いつごろでしょうか。

 園芸好きの両親のもとに生まれ、自称「園芸少年」であった假屋崎氏。バラの魅力に気が付いたのは小学生の時であったそうだ。自宅で育てたバラがようやく咲いた時、母親はそのバラを惜しげもなく、学校に持っていくように言われたという。教室におかれたそのバラを見て、教室のだれもがその美しさに癒され、優しい気持ちになったという。その感動が今でも、假屋崎氏の原動力になっているようだ。華やかで芯の強い作品が多い印象であるが、その中にも優しさを感じるのは、こういった温かいエピソードが假屋崎氏の中に数多くあるからなのかもしれない。

假屋崎先生のバラ“ショウゴエレガン”について、感想をお聞かせ下さい。
假屋崎省吾氏

 「自分の名前をバラに、生きている間につけてもらえるなんて夢心地です。」「感謝の気持ちで一杯です。」そう語る假屋崎氏。エレガンはフランス語で、”優美”を意味し、シックなラベンダーピンク色の大輪花は、美しくもどこか神秘的で、花保ちが非常に良い事も特徴だ。切花用としても、ブライダルをはじめ様々なアレンジメントに最適だということもあり、多くの人から愛されている。
 京成バラ園芸が2010年に”恋人の聖地” に認証された事を機に、「皆様に愛される新しいバラを誕生させたい」という思いから、恋人の聖地選定委員でもある假屋崎氏の名前を由来させたこのバラであるが、その誕生には、1998年 に京成バラ園芸より誕生した新種の白いバラ「ローズユミ」でもお馴染の、ブライダルの第一人者・桂由美氏の推薦もあったとのことである。

その他に、好きな(或いは、思い出のある)バラと、香りがあればお教え下さい。

 いけばなの実演中も、スプレー薔薇を始め、薔薇に対して一つ一つ自身の想いを語っていた假屋崎氏であるが、改めてこの質問をしてみた。「もう全部好きです、どれもこれも美しく、全部好きです。」会場にあった、「ノブァーリス」女性の名前がついた「ミルバ」爽やかなグリーンの花色で、夏にもぴったりの涼やかな品種「ミントティー」、それぞれの花びらを優しくなでながらそう語ってくれた。
 ご自宅の写真の中に見たのは、三階まですくすくと綺麗に育っている木香薔薇であった。日ごろから愛情をもって向き合っている様子が一目瞭然である。「ベランダでもバラは育てられるので、もつと多くの人がバラを楽しむ生活を送ってほしい。」その言葉の裏にも、幼き頃の假屋崎氏の小学校での記憶がしっかりと残っているのだろう。

今後、どのようなバラが出来たら素敵だと思いますか。

 “ショウゴエレガン”だけでなく、ご自身で薔薇柄の着物のデザインまでされている假屋崎氏。広場にある、青・緑・赤・オレンジ・ピンク・黄色等、彩豊かなバラを見つめ「もっとこのような彩が豊かなバラがあったら素敵ですね。」そう語ってくれた。今後も華やかで、柔軟な強さを持つ美しい作品を紡ぎ続けてくれるのだろう。その原動力はシンプルで、「美しいものを見た時に感じる、人間の優しい感動を生み出す事」なのかもしれない。

プロフィール

假屋崎省吾

【假屋崎省吾 Profile】
 華道家。假屋崎省吾花・ブーケ教室主宰。美輪明宏氏より「美をつむぎ出す手を持つ人」と評され、繊細かつ大胆な作風と独特の色彩感覚には定評がある。花と音楽、花とファッションのコラボレーション、日仏交流150周年フランス広報大使、オランダチューリップ大使を務め、第11回グッドエイジャー賞を受賞。着物やガラスの器のデザインおよびプロデュースをはじめ、花と建築物のコラボレートとなる個展”歴史的建築物に挑む”シリーズも開催。
 海外ではオランダアムステルダム「ゴッホ美術館」でのフラワーデモンストレーションとライデン「キューケンホフ公園」での個展、中国「上海万博」でのフラワーパフォーマンス、イタリア「ローマ国際映画祭」でのフラワーインスタレーション、フランス・パリ「プティ・パレ宮殿」やヴァンセンヌの森「パリ花公園」、タイ王国バンコク「サイアムパラゴン」にて個展を開催するなど国内はもとより海外でも目覚ましい活動を展開。特に2014年度はブルガリアをはじめ、世界8か国で個展やデモンストレーションが決定している。
 その他、地域活性化支援のボランティア活動の一環として、少子化問題や地域活性を促す社会活動等にも積極的に取り組んでいる。2013年華道歴30周年を迎え、益々活動の場を広げている。現在TBS「中居正広の金曜日のスマたちへ」にレギュラー出演、NHK「あさイチ」にゲストコメンテーターとして出演するなど、テレビ・雑誌・新聞など幅広い分野で活躍中。

假屋崎省吾公式ホームページ http://kariyazaki.jp/     

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